認知症とは
認知症とは、正常な社会生活を営んでいる人の知能、記憶、判断力、理解力、認識、見当識などさまざまな精神機能が脳の機能障害によって障害され、自立した生活、社会生活や人とのかかわりに支障をきたす状態をいいます。
記憶力や判断力の低下等に加え、脳画像によって診断されるもので、単なる物忘れではありません。代表的な認知症は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前側頭型認知症が挙げられます。
アルツハイマー型認知症
認知症のうち、約50%を占めると言われています。脳CTでは広範囲に脳の萎縮を認め、これは特殊なたんぱく質が溜まることで、脳神経細胞を壊してしまうためと言われています。
神経症状や愁訴を訴えることは少なく、記銘力・記憶障害、見当識障害がはじめにみられます。
一般的に女性に多く、記憶低下を自覚しているものの、深刻味がなく、さほど困っているような印象を受けないことが少なくありません。
次第に夜間の徘徊、弄便などの症状が進み、さらには人格の変化、多幸あるいは抑うつといった感情の変化、幻覚、妄想を伴うことがあります。
脳血管性認知症
脳血管障害による脳の病変に基づく認知症で、多発(脳)梗塞性認知症ともいいます。
脳の梗塞部位により症状がまだら状に出現します。あることはできるのに他の事は何もできない、症状が変動するなどの特徴があります。
人格はアルツハイマー型認知症よりも保たれていることが多いです。
レビー小体型認知症
レビー小体という細胞質内封入体というものが、大脳の中にはびこるように現れる認知症です。
進行性の認知機能障害に加え、認知機能の変動、実際には見えないものが見える幻視、動きの緩慢さや転倒しやすくなるといったパーキンソン症状を呈します。
また、レビー小体型認知症では、記憶の再生障害が強いと言われています。
前頭側頭型認知症
初老期(45~65歳)に発症する進行性認知症で、わが国では男性に多くみられます。
大脳の前頭葉と側頭葉に限局した脳萎縮が認められます。記銘力よりも先に人格障害、情動障害が中心的にみられ、病識がなく、欲望に任せた行動や同じ行動や言動を繰り返すこと、身だしなみを気にしなくなるなどの症状が出現します。
認知症の治療
認知症の基本的な治療は、薬物療法、運動、脳トレ、食事療法です。認知症になられた患者さんの多くは、介護保険サービスを利用して、老人ホームやグループホームなどの高齢者施設、デイサービスなどを利用しながら生活されていると思います。
また、認知症初期の方は、訪問リハビリを利用して自宅での生活に即したリハビリや動作の指導をご本人・ご家族にされているかと思います。
それらのサービスの中で認知症の方に多く行われているのがレクリエーションです。
レクリエーションと聞くと「遊び」のように聞こえますが、本来レクリエーションは「本人主体で行う生活を豊かにするための活動」と言われています。
レクリエーションの目的は、仲間との交流や考えを共有・発展することにより脳や体の活性化を図り、日常生活の能力維持を図ることです。
レクリエーションの中で脳トレをしよう
レクリエーションでは、他者との交流つまりコミュニケーションが行われます。
思考や記憶、コミュニケーション、感情のコントロールなどの知的な活動は、脳の前頭葉という部分を中心に行われており、感情や本能的な活動を担っている大脳辺縁系という部分と連携して機能しています。
大脳辺縁系の働きは、喜び、悲しみといった感情的コミュニケーションを支えることで、さまざまな機能にかかわっています。
つまり、脳や知的な活動を活性化させるためには、仲間と感情的コミュニケーションをとることが必要となってきます。
このコミュニケーションから得る脳や知的活動の活性化の流れは、
①仲間とのやり取り
②仲間との体験から得る思考
③仲間との考えの共有
④自らの思考の発展となります。
脳科学の観点からも、頭を使い続け、脳を活性化させると何歳からでも脳細胞の増加がみられることが証明されており、認知予防が期待できます。
認知症と運動
週3回以上の運動を行っていた高齢者は、認知症になる可能性が低いことが分かっています。適度な筋力トレーニングや運動を行うことで、短期記憶の改善やアルツハイマー型認知症の原因となるたんぱく質の蓄積を減らす効果、認知症予防の効果があります。
運動だけでなく、声を出したり、リズムに合わせて動いたりと、頭と体を同時に働かせることで集中力も高められます。
複数人で行うことで役割や連帯感も生まれ、精神的な効果も期待できます。
運動の強度は、少しきついか楽に行える程度が良く、負荷が強すぎると逆効果になる可能性があり、注意が必要です。
また準備運動としてストレッチを行うことも重要です。無理なく習慣的に運動を行い、認知症の予防、認知症進行を予防していきましょう。